- 2020-05-31 (日) 10:09
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日立陸上クラブ Hitachi Track & Field Club
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Vol.5 『弱虫スパイク(第三話)』
あこがれの先輩?
今日も放課後、通学路や近所で独自に練習(遊び?)を続ける日々。
6年生になったある日、パパから聞きました。
なんでも、とても足の速い子がいるんだとか。
その子はぼくよりひとつ年上でいま中学一年生なんだって。
会社から帰ったパパはいつものようにビールを飲み、だばこをぷかり〜〜。
”その子、小学生の大会で100メートルの新記録を出したんだってよ!
おまえ日立に住んでる多賀のおじちゃん知ってるだろ、
パパの兄さんコージおじちゃん。
市内の小学校で先生やってて、その教え子さんなんだってよ。”
“えっ…⁉︎”
なんか降って湧いたような話。
走ることに興味を持ち始めていたぼくにとってあまりに凄すぎて、
ちょっと疑ってしまうほど。
“中学行ったら陸上やりたいんだろ。
よかったな、いろいろ教えてもらえるぞ。”
“ …コージおじちゃんに?”
“何言ってんだ、おじちゃんは小学校だよ。
その子と一緒に中学で陸上部やるんだよ。”
なんか実感が湧かなかった。
そしてしばらくしたまたある日、ぼくをもっとおどろかせる出来事が。
夕方だった。めずらしく多賀のおじちゃんがぼくんちを訪ねてきた。
玄関先、おじちゃんの横には体ががっしりとした男の子が立っていた。
高中のジャージを着ている。すぐにわかった。この人だ。
この人がパパから聞いていた人。
春からぼくの先輩になるんだ。
カッコいい。紺のジャージが眩しく見えた。
まともに目を合わせることができません。
こわいかな?やさしいかな?
舞い上がってしまい、
コージおじちゃんがなんと言ってその子を紹介してくれたのか
全く覚えていない。
、、、もじもじしてたら
“ いろはやまです。よろしく。”
と、ニコっと笑ってくれた。
…ぼく、ちゃんと挨拶返せただろうか。
ホントだったんだ。
いろはやまセンパイかー(´∀`)
『陸上部』
なんていい響き。
来年は中学で一緒に練習できる。
ちょっと不安もあるけど、だんだん楽しみになってきました。
佐藤 敏哉