Home > コラム > ワンスアポンなタイム in Hitachi (Vol.5)

ワンスアポンなタイム in Hitachi (Vol.5)

Vol.5  『弱虫スパイク(第三話)』


あこがれの先輩?


今日も放課後、通学路や近所で独自に練習(遊び?)を続ける日々。
6年生になったある日、パパから聞きました。
なんでも、とても足の速い子がいるんだとか。
その子はぼくよりひとつ年上でいま中学一年生なんだって。
会社から帰ったパパはいつものようにビールを飲み、だばこをぷかり〜〜。
”その子、小学生の大会で100メートルの新記録を出したんだってよ!
おまえ日立に住んでる多賀のおじちゃん知ってるだろ、
パパの兄さんコージおじちゃん。
市内の小学校で先生やってて、その教え子さんなんだってよ。”

“えっ…⁉︎”

なんか降って湧いたような話。

走ることに興味を持ち始めていたぼくにとってあまりに凄すぎて、
ちょっと疑ってしまうほど。

“中学行ったら陸上やりたいんだろ。
よかったな、いろいろ教えてもらえるぞ。”

“ …コージおじちゃんに?”

“何言ってんだ、おじちゃんは小学校だよ。
その子と一緒に中学で陸上部やるんだよ。”

なんか実感が湧かなかった。


そしてしばらくしたまたある日、ぼくをもっとおどろかせる出来事が。
夕方だった。めずらしく多賀のおじちゃんがぼくんちを訪ねてきた。
玄関先、おじちゃんの横には体ががっしりとした男の子が立っていた。
高中のジャージを着ている。すぐにわかった。この人だ。
この人がパパから聞いていた人。
春からぼくの先輩になるんだ。
カッコいい。紺のジャージが眩しく見えた。
まともに目を合わせることができません。
こわいかな?やさしいかな?
舞い上がってしまい、
コージおじちゃんがなんと言ってその子を紹介してくれたのか
全く覚えていない。

、、、もじもじしてたら

“ いろはやまです。よろしく。”
と、ニコっと笑ってくれた。

…ぼく、ちゃんと挨拶返せただろうか。


ホントだったんだ。
いろはやまセンパイかー(´∀`)
『陸上部』
なんていい響き。
来年は中学で一緒に練習できる。
ちょっと不安もあるけど、だんだん楽しみになってきました。


佐藤 敏哉

  • 2020-05-31 (日) 10:09
  • コラム
  • 作成者:long jumper

Home > コラム > ワンスアポンなタイム in Hitachi (Vol.5)

Return to page top